2010年8月 6日

黒い雨

つい先日、出口善子さんの新句集『羽化』に「たたまれて弔旗のごとし黒日傘」の句があって、あらためて「弔旗」って、何だろうと思って調べていたら、偶然に本誌「め~る一行詩」や「雑詠欄」などに投句されている宇井偉郎さんの「議事堂に弔旗はなくて樺の忌」の句を発見した。この句、もともとは「日経俳壇」の入選句らしい。実にいい句です。

「樺の忌」はいうまでもなく樺美智子の忌(6月15日)、すでにその名を知らない世代も多いだろう。僕が小学5~6年生の頃だったと思う。樺美智子は安保反対闘争のデモで国会議事堂南通用門での警官隊との衝突で死亡した。あれから50年の月日が流れたのだ。

アララギの歌人であった土屋文明が、樺美智子の死を悼んで詠んだ歌は「一ついのち億のいのちに代わるとも涙はながる我も親なれば」。

 65年前の本日は黒い雨の降った日。すなわち一句。

 八月六日いつも晴天 雨黒し     恒行

| コメント(0)

コメントする