2010年8月11日

蝉時雨

今日も暑いですね。
と、毎日飽きずに言ってしまいます。

駅まで歩いていく途中にケヤキ並木があるのですが、朝から蝉が鳴いていました。
青々と繁っている木々の上のあたりから、降ってくるように聞こえてくるので、思わず「お、蝉時雨」と思ってしまいました。
まだ、季語の知識が不十分なのですが、このくらいは思い浮かびます(笑)。

「蝉時雨」という言葉を作った人は凄い、としみじみ思います。
鳴きたてる声を「時雨」とあらわす。この想像力の豊かさに恐れ入ります。

連想して思い出すのは、藤沢周平の『蝉しぐれ』。
実は原作を読んだことはないのですが、以前映画で見たことがあります。
確か、「庄内藩がモデルなんだよね。見に行こうよ」と妹に誘われて行ったような......?
青春期を山形県で過ごしていたので、なんとなく「山形」に通じるものに弱いわけです。何しろ、「山形」って題材にされること少ないし......。

さて、見に行った『蝉しぐれ』はよかったです。
主題としては、政争(お家騒動)、江戸の奥に上がった幼馴染のおふくとの道ならぬ恋、なのですが、一番印象に残ったのは、少年期の子役の二人でした。(というか、ほかはすでに曖昧......)

切腹を命じられた父を台車に乗せ、一人で屋敷まで引っ張っていく文四郎。
それに無言で走りよって、後ろから押すのを手助けするおふく。
木々が頭上に覆いかぶさっているような坂道を、言葉を一切交わさずに押していく。
この情景だけが鮮やかに残っています。
覚えていないのですが、このときバックに流れていたのは蝉の声だけだったような気が。
音楽が入っていたのかもしれませんが、無音のイメージです。

蝉の鳴き声というのは、確かに響いているのに、静寂さを感じさせますね。
まさに、〈閑さや巖にしみ入る蝉の声〉という感じ。
これも山寺、山形でした。よく散歩に行きました。

なんだか思い出話で取りとめの無い内容になってしまいましたが、「よし、俳句ネタになった」とにやりとして終わります。

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