2010年12月10日

俳句界評論賞締め切り近し・・

 第13回「俳句界」評論賞(選者・筑紫磐井氏、仁平勝氏)の締め切りが12月20日(当日、消印有効)と、迫ってきた。是非、一人でも多くの応募を期待している。

 選者の一人・仁平勝氏が、最近句集を出版された(小社への恵送深謝)。集名は『黄金の街』。章立ては批評家らしく、世代論、風景論、恋愛論、国家論など12章のテーマ。

栞は「件(くだん)の会」の面々。それぞれ、親愛に満ちた文章である。

 黒田杏子さんが、その中で、中村苑子さんに誘われて、高柳重信墓参のバスツアーの席で、後ろに座っていた仁平勝と小生に初めて会ったと記されている。

 もう、随分昔のことになる。

 その話はともかくとして、『黄金の街』は、なかなか泣かせる句集だ。題名がなんと言っても「ゴールデン街」だ。その街は、1960年末から70年代初頭、確かに猥雑なエネルギーに満ちていた。

   論争の黄金の街(ゴールデンがい)明け易し         〈世代論の章〉     

   校門にかまぼこのゐる小正月                  〈国家論の章〉

   つばくろやニコライの鐘いまも鳴る                〈都市論の章〉

 仁平勝の母校の近くは、たぶん、カルチェラタンだった。ニコライ堂は、いまも変わらずにある。

 〈他界論の章〉は切ない。

  夏月和厚信士享年五十三            (弟和夫逝く〉

  なきがらの横にビールを注いでをり

  冬菊や遺体の母の乳固し             (母ヨネ逝く)

  親父からげんこつもらふ雲の峰          (四歳で死別)

 

  白髪の宇多喜代子にも夏の月           〈祝祭論の章〉

 この句は宇多喜代子の「白髪の天皇にこそ夏の月」の本歌取りである。

 

 老人を起こして春の遊びせん     〈転向論の章(今井杏太郎に師事)〉

 

 どのような転向だったか、いや、仁平勝は、誰かに師事したい気持ちがあった・・・。

そういえば、僕らは(と敢えて言ってしまうと)いつもトコロテン式だったような。

墓場までかも・・。

   団塊の世代と呼ばれ心太           〈世代論の章〉

 老人になってしまったが、なお団塊の意地をみせなきゃ・・・嗚呼。

仁平句集

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