2011年3月23日

一期一会集

 

一期一会集

 5月号で「魅惑の俳人・富田木歩」特集のために、書影をなんとかしようと(俳句文学館は地震のため?当分休みなので・・)『決定版・富田木歩全集』全一巻(世界文庫)を求めて、会社近くの早稲田古本屋街に探しにでた。

 ネットで目星をつけて置いたので、ここなら在庫があるはずと渥美書房に入ってのだ。会社近くには近代文学で有名な平野書店もあるが(この店は丁寧にグラシンが全部かかっていて、保存状態はいい)、そこを飛ばして行っただけはあった。垂涎ものの句集も多くあったが(俳人協会の自選シリーズは日焼けして外に100円均一・・可哀そうに)。木歩は棚になかったので、仕方なく店番のご婦人に声をかけた。

「あの~」

「ちょっと待って下さい」。

目録を見ているから、てっきりウインドウに入っている何か、高価本の特別コーナーかと思いきや・・

「倉庫にあるので、今は店番が誰もいないから、今度、事前に電話をかけて来て下さい。出しておきますから・・」

「そうですか、じゃーそうします。ところで、いくらくらいするんですか?」

「六千円ですね」

「ああ、そうですか」

じゃー、といって店をでたら、またまた店頭日晒しの百円均一本に目が行き、折角だから、コーヒーを飲みながら一読する本を物色した(何しろ、昼の食事休憩を使ってきているのだから、ついでに腹ごしらえもしなくてはいけない)。

それで、買ったのが『一期一会集』荻原井泉水著。大扉には井泉水の桃の絵。発行は層雲社、昭和46年、非買品とある。早い話が、井泉水と会った俳人たちの句が掲載されているのだ。巻頭は日向野秀作(栃木県小山市)47句、次に松尾あつゆき(長崎)、被爆の句が有名だが、当然収録されていた。

  ケロイドからは汗もでない炎天はたらく      あつゆき

  原爆で身寄りなし原爆公園の草をぬく仕事     〃

先般、自由律俳句特集のときに、登場いただいた和久田登生(浜松)氏は一句載っている。それは、

  コップの水の無心青葉黙している         登生

僕の故郷山口県からは、近木圭之介(下関)11句。

  お骨のまだ熱い壺、膝の上に冷えきる       圭之介

巻末はもちろん、荻原井泉水だ。層雲作家一覧ということだろう。

 わが柑子の黄なるたわわなる足るを知る      井泉水

 一路国道九号線稲田一望                   

ところで、書影のための木歩全集・句集はまだ手に入っていない。

 

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