2011年5月24日

角川春樹『白鳥忌』6月1日発売・・

角川春樹『白鳥忌』

  本日は、角川春樹一行詩集『白鳥忌』の委託配本のために、取次ぎ各社を回った。

6月1日に発売することが決まった。

『白鳥忌』は、扉に河野裕子「たつぷりと真水を抱きてしづもれる昏き器を近江と言へり」の歌を献辞として、「森澄雄先生重篤の報に接す」の詞書を付した

   限りあるいのちを生きて花の雨    春樹

の句から始まる。録された多くの句は、森澄雄の句と対峙しながら句が生み出され、それが「魂の一行詩」として現出して、世界を創造する。例えば「目ひらきて櫻吹雪の中にをり」澄雄の句には、

  閉ぢし眼の裏にも花の吹雪きけり       春樹

が配される。

以前、吉本隆明が『詩の力』という本のなかで、「俳句という表現」の項で、「俳句の発生を考えるには、短歌が壊れていく過程が問題になると思われる」と述べたのちに、「現在の俳句と短歌の違いをいえば、やはり俳句のほうが様式として新しく、ひとりでにモダンな要素を醸し出すひょうげんであるといえるのではないか」「俳句のほうがモダンな感覚を盛り込みやすく、現在の感性でも容易に入っていけるのだと思う」と結んでいたことを思い出す。そうして、角川春樹(俳人で論じられたのは西東三鬼と夏石番矢と角川春樹のみだった)については、「角川さんの俳句の新しさは、平明な口語調で書かれていることと一見すると俳句らしくなく受け取られるような作風にある」、また「作品の特徴は、俳句の常道である客観と主観の交代する組み合わせによらず、主観だけ、あるいは客観だけでできているような句によく表れている」としていたことである。

 そういえば、5月号小誌の「大震災を詠む」の、

  地震(なゐ)狂ふ荒地に詩歌立ち上がる    春樹

の句を「読者の声」・「今月号のよかった句を教えて下さい」の便りに上げられていた読者の方がおられました。

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