2011年6月13日

三輪初子『火を愛し水を愛して』・・

『火を愛し水を愛して』

 遠ざかる記憶の果ての六花かな     初子

 先日、「や」の会の15周年、55号記念祝賀会では、隣に座ってお相手していただいた三輪初子さん。聞けば出身は北海道帯広市。

上記の句「立花」は、雪の異称だから、生まれ育った雪の北海道の風景が思い出される。それもこれも長い年月では薄れる記憶もあろう。しかし、さまざまなことを忘却したとしても、立花(雪)だけが鮮やかに思い起こされるのだ。それが「記憶の果て」なのだ。

掲句を巻尾に搭載した句集『火を愛し水を愛して』は小社平成19年3月刊。4年前のことになる。小生が入社する前である。しかし、三輪初子の名は彼女が所属していた「童子」時代から記憶にある。もちろん「や」でも。

なぜかというと、小生の母方の姓が三輪だったので、他人のように思えなくて、いやもなく覚えてしまったのだ。

その三輪初子さん、6月15日から20日まで、「三輪初子俳句展」を「Galleryころころ」(地下鉄・早稲田駅2番出口徒歩7分・若松河田駅徒歩5分)で開催される。

小生も何とか時間を作ってお伺いしたいと思っている。

なかなかピリリと心ににくる句が(小生の好み・・・)ある。

  広島忌朝餉の後の茶の熱き

  敗戦忌一番風呂のピリピリと

  月の下泣くより笑ふむづかしき

  初鏡はじめに笑顔つくりけり

  見にゆくいふより逢ひにゆく桜

  八月やメモする前の白き紙

  木枯しの戻らぬ長い長い橋

  いくさ無き国の真ん中蟻地獄

  火を愛し水を愛して葱洗ふ

  人間はにんげんのまま去年今年

因みに本句集は第3句集というから、多力の作家である。この伝でいくとそろそろ第4句集も近いのかも知れない。

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 雀上野忍ばず

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