2011年6月15日

芭蕉・異説特集(8月号)・・・

 本誌8月号の特集の予告をします。嵐山光三郎『悪党芭蕉』にもいろいろ書かれておりますが、俳聖芭蕉ならぬ堕天使芭蕉、軽みもそうなら悟りにも遠く、実存者芭蕉を追い求めてみよう・・・という特集です。

その中身はともかく、『芭蕉の恋句』(岩波新書・東明雅)によると、恋は和歌伝統の題なので、当然ながら、連歌俳諧の時代は、月の座、花の座があるように恋の座があるので、恋の呼び出しもあります。「奥の細道」の道中でもたくさん詠まれています。しかも、芭蕉は恋句の名人。

俳句で恋は詠えないというのは、もっともらしいデマゴグーかもしれません。

歌仙俳諧は36句が並んで、この最初の句を「発句(ほっく)」といい「立て句(たてく)」と言われたことは、ご承知のとおりです。36番目が「挙句の果て」の挙句(あげく)です。

36句並んだなかで恋の座を2~5句を詠むルールになっているらしい。そのほか、式目(ルール)は約束事で色々決っているんですが、小生あたりには、細かすぎて覚えていません。

貞門の俳諧においては、「恋の詞(ことば)」というのが決っていて、その詞を入れると恋の句になったということです。例えば、「俳諧恋之詞」には夫婦、二世の契、ひよくの中、連理の中、偕老洞穴、寝物語、ささやく、ふりのよき、情けぶり、うしろがみ引く、身をこがす、小指切り、恋やせ、口紅、男狂、涕ぐむ、やくそく、子をおろす、離別、おとし文・・・などなど。

「狂句こがらし」の巻(貞享元年)では、

  髪はやすまをしのぶ身のほど     芭蕉

  いつはりのつらしと乳をしぼりすて  重五

 

また、連歌の時代には「連歌恋之詞」というのもあったという。契、きぬぎぬ、えにし、よすが、恋すてふ、ぬれ衣、かたおもひ、恥かはし、思川、みやびをかはす・・・すこし雅でしょうか。

ともあれ、芭蕉の恋の付け合い35編(元禄4~7年)が明雅著には選びだされています。

 こうした企画を、編集長以下編集部員が、ああでもない、こうでもない、と意見を言い合っているのは、ほかならぬ(秘密、未公開、他言無用!見てはいけません、)編集長の席の後ろに貼られた社長の檄です(自主的に貼っているのです。うまく見過ごしてください、秘密ですから・・・)。この言葉を胸に刻んでいるのです。そういえば「胸に刻む」も恋の詞でした?

社長の檄

| コメント(4)

コメント(4)

  

今日の編集部を楽しく拝見させていただいている。
檄文の通りですね。

  

清水編集長の頃から愛読しております。毎号、ユニークな企画で驚かされています。社長の檄文、気魄が伝わります。

コメントする