2011年9月 2日

たとえば十死生、いや十生・・・

露草

 昼休み。弁当持参のときは、来客用ソファで、昼にする。

そうすると当然ながら、壁側には、小社の刊行物である句集の原本が並べられている書棚が目に入る。

入社間もない頃は、名前を存知あげない方も多く、毎日眺めては、せめて著者名くらいは覚えようなどと思っていたが、寄る年波でそれもすぐ忘却の彼方へおぼろになっていった。

それでも、小生の同人誌仲間やそれに近い人、パーティなどで会っていた人は、つい眺め入ってしまう。山﨑十死生などもそうだ。「(死)抜き」で頑張ると数年前に「十生」に名前を変えてしまった。

十死生(じゅっしせい)とは、文学臭のする名前だったが、もとはといえば本名・利男(としお)から十死生とつけたに過ぎない。先師・関口比良男から生前から選者をまかされ、没後は「紫」主宰となった。「伝統とは常に新しくなければならない」を標榜している。

  車座になって銀河をかなしめり     十生

  凍滝を登らんとする日のちから

などの句を思い出す。句集『大道無門』(小社刊)が鎮座している(小生入社前の刊行)。

  ゐない母のために蚊遣りの火を焚けり

坂間恒子句集『硯区』は、小生入社後に刊行することになった句集なので、感懐がある。

  さっそうと春の丘から霊柩車        恒子

  神棚に晩秋以外のひかりも来る

  ゲート23走り根は向かう

独特だな、と思う。

そうそう社長・姜琪東の『ウルジマラ』もこちらを睥睨している。

  わが遺骨(ほね)は冬玄海に撒き散らせ    琪東

  チマひろげさくらふぶきをうけとめぬ

森澄雄『深泉』だって・・・

  妻ありし日は女郎花男郞花        澄雄

窓外は、台風が逸れたのだろうか、日差しがあるようだ。

いやいや、突然かき曇りになりそう・・・。

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