2011年12月16日

久女展&週間ブックレビュー・・

花衣展示会vol.1

 先日、現代俳句協会特集の宇多喜代子、安西篤、寺井谷子の座談会の折に、寺井谷子氏から、九州文学館の第10回特別企画展「花衣・俳人杉田久女」の図録をいただいた。「杉田久女は、小倉の地から、近代女性俳句の草分けとして活躍し、俳句史に大きな足跡を残しました。朝顔や濁り初めたる市の空」と九州文学館館長の佐木隆三は「あいさつ」のなかで述べている。

 開催期間は11月3日(木)~12月25日(日)、平日は9時30分~19時、土日祝日は9時30分から18時まで(入館は30分前まで)。もはや来週末くらいまでと残り期間は少ないけれど、是非、御近くの方や、興味のある方がおられたら、お運び下さい。必見の価値ありと思う(残念ながら、小生は行けませんが)。図録も変形版の瀟洒なもので素敵だ。

 目次に一句ずつ配されている久女句は以下のとおり。「 」は目次文。

  「プロローグ 俳句以前」

  常夏の碧き潮あびわがそだつ  

  「一 自己表現の喜びと懊悩」

  足袋つぐやノラともならず教師妻 

  「ニ 俳句に蘇りて」

  谺して山ほととぎすほしいまゝ

  「三 輝く作品」

  無憂華の木蔭はいづこ仏生会

  「四 同人削除」

  張りとほす女の意地や藍ゆかた

  「エピローグ 久女伝説」

  むれ落ちて楊貴妃桜尚あせず

 

ブックレビューvol.1216

 もう一つ紹介したいのは、本日発売『週刊 ブックレビュー』ー20周年記念ブックガイド1991~2011-(NHKサービスセンター刊)だ。

 奥付けを見れば、愚生が小社に入社したときの若き鬼女美女デスクだった小倉佳子女史の企画本である。「週刊ブックレビュー」はBSプレミアムの書評番組だから、当然ながら、原発反対の愚生はテレビも電子レンジもない生活だから見たことはない。が、こうして一冊の本になると、思わず手にとってしまう魅力本である。

 つまり、BSをみなくても、20年間にどのような本が取り上げられて来たかを眺めるだけでも愉しいのである。

 巻頭のスペシャルインタビューは爆笑問題の太田光。巻末は先般逝去した18年間「週刊ブックレビュー」の司会者だった児玉清の追悼特集といった趣だ。

 その児玉清が選んだ2010年のおすすめベスト10で、愚生が推薦するのは内田樹『日本辺境論』くらいだ。それというのも、他の本はまったく愚生は目を通してもいないから、推薦のしようもない(愚生の不勉強のなせることなのだが)。

 意外に面白いのが、「バックナンバー一覧」。創刊から894号まで、特集のタイトル、各時代の動向、著者、書名がわかるので助かる。

 あとはいろいろ拾い読みするのだが、どうしても知り合いの登場する部分は興味をもって読む。『不良の読書術』の永江朗とか、司会者座談会の中で、仕事ですから全部最後まで読むと言った淑女に聞かせてやりたいくらいだった(もちろん、書名ほどにはぜんせん永江朗は不良じゃないが・・)。

 また、2011年のおすすめ3冊のなかに『しづ子』川村蘭太が選ばれているのも嬉しかった。川村蘭太は愚生と会ったときには、川村宣有貴(よしゆき)と名乗っていた。黒澤明(川村氏は黒澤プロ?・・・の役員だった)とともに映画を創っていて、鈴木しづ子を映画化したがっていたのだ。

 それを「鈴木しづ子追跡ーシナリオ取材ノート」として連載していた頃、つまり20年程前に、西荻窪のルノアールで月に一度くらい彼に会っていた。それは鈴木しづ子の行方が杳として知れないなかで、「しづ子は生きている」という設定での追跡だった。

 その後バブルもはじけ映画は実現していないが、遺族や親戚や、関係者に取材し、彼が足でかせいだ資料は、実に貴重で、江宮隆之『凍てる指』などしづ子本の資料のほとんどは、川村蘭太に拠っていたはずである。そして、なによりも貴重だったのは鈴木しづ子句集未収録作品を見つけ出し、それを公表できるようしづ子の姉?から了解をもらっていたことだ。

    コスモスなどやさしく吹けば死ねないよ    しづ子

 愚生が出版しようとしていた川村蘭太の本の書名は掲句と同じ『コスモスなど・・死ねないよ』で、予告の広告までは出ていた。が、しかし、いまだにまぼろしのまま実現していない。

 また、福島泰樹氏に某雑誌のために寺山修司特集のインタビューをしたこともあった。すっかり忘却していたが、今は亡き修司の母・寺山はつさんの八王子?の家にお伺いしたこともあった(どなたかに紹介かつ同行していただいたが忘却・・・)。

 ともあれ、「週刊ブックレビュー」記念号のおかげで色々思い出させてもらったが・・・長くなり過ぎたようで・・・失礼しました!

クリスマスネオン1112

| コメント(2)

コメント(2)

  

丁寧なご紹介、ありがとうございます!
さすが、注目するポイントが冴えています。

鈴木しづ子の句は私も好きです。
〈夏みかん酸つぱしいまさら純潔など〉

…鬼女はよけいですが、
元デスクとしては、
×「週間」→○「週刊」であることを
指摘させていただきたいと思います(笑)


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