2012年2月 9日

堀本裕樹氏来訪・・・

堀本裕樹氏来訪vol.1

 午後、第2回北斗賞受賞者・堀本裕樹氏が来社された。

 昨年、第一回が川越歌澄氏で句集『雲の峰』になって5月刊行。

北斗賞は40歳以下の有望新人作家の登竜門として、受賞作を翌年春に小社で句集にして300部出版、全国主要書店に配本並びにマスコミ謹呈を行うという賞なのである。

 その伝でいくと受賞作「熊野曼陀羅」もそろそろ入稿しなくはいけないのだ。

 しかし、編集長から、受賞作に句数を足して300句くらいにして(若干の著者負担金が発生するけれども)、立派な第一句集として世に問ったらどうかという打診を受けての来訪だ。

 堀本氏も、その意向にそって、装丁も含めて本作りへの希望があるらしく、その相談にみえた、というわけである。

 聞けば、堀本氏の俳句の縁は、中上健次氏の熊野大学から始まるらしい。本人も和歌山県生まれ、まさに「熊野曼陀羅」というタイトルは彼のためにあるようなものかも知れない。

彼の大切にしている健次の色紙に「紀州。輝きの闇の国家よ。1978.8.8」と書かれたものがあるという。

 そういえば、かつて坪内稔典の「現代俳句」の何集かで、中上健次特集をやって、愚生も未熟な健次論を書いたのを思い出した。確かに「枯木灘」は力強い文体で、存在そのものの怒り、のような何かを感じさせていたように思う。

 堀本氏はその後、若くして角川春樹主宰「河」の編集長を務めたのち退会され、現在は上野一孝代表「梓」同人。さらに、「いるか句会」「たんぽぽ句会」などを主宰し、俳句を業として生きていく決意のようだ。

 次代の俳句界を背負いたつ俊英の一人と呼んで差し支えはないだろう。

 ともかく、受賞作に加えて句稿をそろえ、本年8~9月くらいには出版する予定になった。乞うご期待!

   行き倒れし者蟋蟀に跳び乗らる       裕樹

   詩を生みて万年筆の吹雪きけり

   鳶の輪を射ぬく春日や熊野灘

   火焔土器よりつぎつぎと揚羽かな

   天日を誇るがごとし鵙の贄

五色・青山・風景

 

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