2012年2月28日

山本健吉『芭蕉全発句』・・

芭蕉全発句vol.1

 今日、会社に厚い書物が届いた。

 あけると、山本健吉著『芭蕉全発句』(講談社学術文庫)本体2000円、だった。

 一筆箋に「大井恒行様 山本安見子」と書いてある。編集長、スタッフにも・・・

 有り難いことである。恐縮・・・

 小社の蔵書は貧弱だから、資料にするべき芭蕉句集は新潮社の日本古典集成「芭蕉句集」くらいしかない。これで、校正にも使える・・・。

 底本になったのは『芭蕉全発句』上下巻、上巻は昭和49年4月、河出書房新社より365ページ1400円で発行。下巻は同年12月399ページ1700円。いわば、これが一冊にまとめられているのだから、文庫とはいえ800ページの大冊である。

 年代順に句と鑑賞文が付されているが、文庫本では、その句が書かれた年代が引きやすいように、本の前小口に年代順が裁ち落としに色分けされている。

 従って、この本の芭蕉発句の巻頭は、寛文期芭蕉19歳の時の句、前書に「廿九日立春ナレバ」とあって、

   春やこし年や行けん小晦日

 から、始まり、最期は、年次不詳の句、

   別ればや笠手に提て夏羽織

 もちろん、作られた時期が明確なのは、「病中吟」と題した、例の、

   旅に病で夢は枯野をかけ廻る (笈日記)

 元禄7年10月8日作、51歳の句である。

 健吉は、「其角の『枯尾花』には、未完の別案が、「枯野を廻るゆめ心」となっていて、季語がはいっているが、其角が病床にかけつけたのは、十一日の夕刻である。(中略)とくに辞世の句とは言わなかったが、自分の俳生涯にピリオドを打つつもりで、この句を作ったのは確かだろう」と結んでいる。

 座右の書が一冊増えた感じだ。

芭蕉全発句vol.2

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