2012年3月12日

「夢座」300回記念句会・・・

夢座・上野vol.1203121 

夢座・上野vol.1203122 

 25年前、新宿紀伊国屋書店の地下のカレーショップ・ニュー永井のカウンターで始まった句会が「夢座」(代表・椎名陽子)句会である。

 あれから、毎月欠かすことなく四半世紀、月に一度、早仕舞いをした店のシャッターを半分下ろして、カウンターでの句会は続けられた。 

 趣味人も多く、そのうち「夢座」という雑誌も出すようにようになった。

 句座の仲間にデザイナーもいたので、おしゃれな装丁の同人誌は上の階の紀伊国屋書店にも並べられ、(紀伊国屋の役員らしき人も出入りしていた)店頭販売も・・・。

 句会はアルコール付き、さらに料理の得意な人はカウンターのなかでその腕前をふるった。

 そのうち、人数も増え、手狭になったのと、趣味から脱して、俳句とは何ぞや?という難しい課題に挑戦するようになって、会場を移して現在に至っている。

 愚生は4,5年前、「夢座」の招きで書家の上田みゆき氏とのコラボレーションで福井・越前和紙の里に一緒に行き、翌年は東京青山?でのコラボーレーションにも参加させていただいた。

  現在の同人誌「夢座」に寄稿し続けている江里昭彦氏も一緒だったように思う。

  その「夢座」300回記念句会が、昨日3月11日(日)、東京は明治公園そばの日本青年館ホテルで行われた。                                                        

 句会途中2時46分には全員で北の方角に頭を垂れて黙祷をした。 

 句会の最高点(4句選、並選1点、内一句は特選2点)は、絶品の挨拶句となった、三行多行表記を実践した師・大岡頌司からの唯一の継承者である酒巻英一郎氏の次の句だった。 

      夢の座に 

      花鳥を撒きて 

      遊ばしむ         英一郎

 最高点者には、天賞として若き陶芸家の小川土偶氏製作の「水滴」が賞品として手渡された。 第二位以下は普通の一行書きの俳句作品、以下に一人一句を上げておこう。

    かつてありし乳房のかたち春の雪       山根ひとみ 

    削除キー打ち菜の花畑にいる          渡邊樹音   

    うるう日や島の地形をゆるぎける       城名景林  

    黄沙降る世にたくさんの好きな人       山下つばさ 

    ここからは鉛筆画です夕桜           山本敏倖 

    ロバの耳ぱくりと傾ぎ春を踏む         森 英利  

    ぎりぎりを楽しんでいる蕾            鴨川らーら 

    大寒の一人夜更け手て白ココア       友納あけみ 

    寒の雨棺を塞ぐ釘の音              門田草介 

    退屈が山ほど生まれ水温む           杉本青三郎  

    悔い入ればまたさらわれる春の虹       市川恂々   

    嬉しくも寂しくもなくふたり            ささのさら    

    先生の話犬きてねそべって           渡部伸一郎  

    青き踏む肩を抱かれていたりけり        伊達甲女   

    被災者にこんな件で櫻咲く            照井三余   

    ハーモニカ忘れじ春の埃吸ひ          白銀畑二   

    藤房の軟着陸を眠りけり             佐藤榮市  

    曲曲と暗闇睨む座敷雛              金田 列   

    老残の診察券や春の虹             江良純雄 

    氷雨にも花弁膨らむ椿かな           森井緑朗  

    万物のふれあう桜咲きました          大井恒行 

 句会では選者に迎えられた江里昭彦、齋藤愼爾両氏の講評が行われた。

 句会の後の懇親会では来賓で駆けつけられた宗田安正、福田葉子、早瀬恵子、上田みゆき、北大路翼、筑紫磐井各氏などの挨拶があった。

夢座300回

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コメント(2)

  

中で一番好きなのは次の句でした。
退屈が山ほど生まれ水温む            杉本青三郎
ちょうど今の私が詠まれているような気がしました。

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