2012年4月12日

「鏡」第4号・・・

市ヶ谷花見vol.1

 過日、3月19日(月)に八田木枯氏が逝去された(本誌5月号〈4月25日発売〉トピックスに訃報記事)。

 送られてきた「鏡」(編集発行人・寺澤一雄)第4号には、同人だった八田木枯氏の遺作「幕下ろす」14句が掲載されている。同号にはほかにも「八田木枯戦後私史 2」と題した中村裕を聞き手にしたインタビューも掲載されている。私史とはいいながら、俳句史に対する怜悧な、かつ率直な物言いは現俳壇には失われて久しいものだ。当然ながら、八田木枯の歩んできた同時代の有りようも浮き彫りになったもので、以後が聞けないのが残念である。

     寒鮒釣り全生涯の幕下ろす           木枯

 20年前くらい?たしか市ヶ谷から飯田橋の間の土手で、毎年「花筵有情」の看板を掲げて、一日中花見の会をしておられたことがある。参加する人は、夜桜まで、どの時間でも立ち寄ればいいのであった。

 今でも、この季節になると、この会を思い出す。当時、木枯氏は,今は若い人たちが準備をして、場所とりまでしてくれているので助かると仰っていたのを思い出す。その看板は福田葉子さんがいまだにお持ちになっていると先日仰っていた。

 そこでは、多くの俳人の方々にお会いすることができた。三橋敏雄、山本紫黄、松崎豊、大高弘達など鬼籍に入られた方も多い。木枯氏も天上での「花筵有情」をしておられるかもしれない。

 ご冥福を祈る。「鏡」4号より数句。

      インバネス戀のていをんやけどかな     木枯

      鶯もゆめうぐいすのこゑもゆめ

      南無妙法蓮華経鶯の隠れ啼き

      猫に道あり戀に路あり道は狭に

      我を置き去りに我去る墓参かな

      寒鮒を釣れなくも釣る男かな

馬場界隈春vol.1

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