2012年11月22日

坂口昌弘著『平成俳句の好敵手』・・・

『平成俳句の好敵手』

 坂口昌弘著『平成俳句の好適手』(小社刊)が出来上がってきた。

 今朝、取次会社に行って、29日(水)の搬入を決めてきたので、12月には全国主要書店の店頭に並ぶ。

 前著『ライバル俳句史』(平成21年・小社刊)に続く著書で、『句品の輝きー同時代俳人論』(平成18年、小社刊)  

 から数えて三冊目の小社よりの刊行である。前著『ライバル俳句史』から通算すると60組・120人の俳人を比較評してきたこととなる。

 本著は、本誌月刊「俳句界」平成22年7月号から本年12月号まで連載された稿に、加筆修正をほどこし、加えて、朝日新聞平成23年12月5日掲載の「日本文化といのちの俳句」(初出記事は「いのちの俳句」)が収載されている。

 著者「あとがき」のエピグラフにノーベル物理学賞受賞者の二ール・ボアの言葉「お互いに対立するものは相補的である」が引用されている。それは、「すべての俳句観は対立した関係ではなく、お互い相補性の関係にあることを深く理解できるようになった。多様性に満ちた俳句作品・俳句観がお互い対立するのではなく、相補性をもってこの世に存在して俳人の生命を表現している」という観想にたどり着く。

 さらに副題として「俳句精神の今」としている理由について次のようにも記している。それには、

   同時代を生きる俳人たちが心に持っている精神・エスプリを捉えようと試みた。表現技術や評伝 

 面から俳句を論じる俳人批評家が多いが、作品からの感銘を通じて作者の精神にふれる評論は少 

 ないように思える。

 帯に有馬朗人は「文章明晰、論旨判明である。何よりも一つのイデオロギーに固まった偏見がないところが佳いと思う」と言挙げしている。

 その有馬朗人、本著では「大峯あきらVS有馬朗人ーー哲学者と物理学者にとっての俳句」として収録されている。本著を通読していると気づかれ読者も多いと思うが、坂口昌弘の批評も対句的な手法で展開されいる。冒頭もそうだが、末尾の締めくくりにも、例えば、「あきらには、死に関する句が少なくない」・・・、「朗人にはユーモア・ウイットの句が少なくない」というように。

 ともあれ、坂口昌弘の完成、熟成の域に達する批評の手つきも楽しんでいただきたい。

 本著が是非、一人でも多くの読者にめぐりあわんことを期待して・・・

ドングリ↓

ドングリ

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