2013年2月のブログ記事

2013年2月25日

出版記念会と「都市」5周年祝賀会・・・

中村裕氏と遠山陽子氏vol.1

中村裕氏と遠山陽子氏↑

 昨日は祝賀会の梯子になってしまった。

一つは、アルガカディア市ヶ谷で行なわれた「鏡」の会(発行人・寺澤一雄)による遠山陽子著『評伝・三橋敏雄ーしたたかなダンディズムー』(第4回桂信子賞受賞祝い)と中村裕著『疾走する俳句 白泉句集を読む』の出版を祝う会で、もう一つは、町田・ホテル・ザ・エルシーで行われた「都市」(主宰・中西夕紀)5周年記念祝賀会である。「都市」5周年のほうは、祝賀会に先立って筑紫磐井氏の講演会も行なわれた(残念ながら愚生は聞けなかった)。

前者の出版を祝う会は、司会進行を村井康司氏と佐藤文香氏、高橋龍氏の来賓の挨拶で始まり、池田澄子氏の挨拶、乾杯の音頭は桑原三郎氏がとった。そのほか安西篤、澤好摩、川名大各氏の挨拶があったが、愚生は「都市」祝賀会に出席するために残念ながら中座した。

右から3人目が中西夕紀主宰↓新同人の方々と。

右から3人目が中西夕紀主宰

「都市」5周年祝賀会は極内輪でということであったので、来賓は筑紫磐井氏(「豈」発行人)と鈴木忍氏(「俳句」編集長)、そして愚生の3人のみであった。

創刊から5年、内部での団結力を今後の10年周年に向けて、俳句史を視野に入れた外に開かれた「都市」にしたいと中西主宰は抱負を語った。

ジンチョウゲ↓

ジンチョウゲvol.2

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2013年2月22日

3月号別冊付録「平成名句大鑑」出来・・・

俳句界3月号大鑑

本誌3月号(25日発売予定)は通巻200号記念で、別冊付録に「平成名句大鑑」の500ページの大冊が付く。

特別定価1800円。

本誌と合せて約730ページ。

現代俳句を代表する俳人の方々の平成時代に作られた代表句が作句信条とともに収められている。

従って、これまでの平成年間の句を展望するによいテキストになるはずだ。

本誌には、さらに「結社期待の新人52」の代表一句と写真(カラー)で、期待される新人俳人の紹介が掲載されている。今後の俳句史を担う俳人がここにいると信じたい。

4月30日には、弊社創立10周年記念祝賀会(東京・京王プラザホテル)も予定されている。

読者の方々のさらなるご支援をお願いする次第です。

讀賣文学賞和田前後

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2013年2月20日

和田悟朗氏読売文学賞二次会・・・

讀賣文学賞vol.1

 和田悟朗『風車』が第64回読売文学賞(詩歌俳句賞)を受賞した。

2月18日(月)、贈賞式が東京・帝国ホテルで行なわれ、愚生は夜8時半から行なわれた二次会に出席した。

 選考委員の一人、高橋睦郎氏の乾杯で始まった会は、関西から「風来」(編集発行人・和田悟朗)の仲間の方やかつて悟朗氏の同志であった「渦」赤尾恵以氏や花谷清、藤川游子、柿本多映各氏など久しぶりにお会いする方々にも会うことができた。

 スピーチは、宇多喜代子、高野ムツオ、片山由美子、宗田安正、永島靖子、酒井佐忠、久保純夫、桑原三郎、津高里永子、四ツ谷龍、鳴戸奈菜各氏など多くの方によって行なわれていたので、愚生は番外と思って雑談にふけって、突然の指名が、まるでイタズラの神からのように司会の石井隆司氏より降ってきて、全く心の準備もなく、おもわず、喋りません・・と言ってしまった。とっさに案内状に認めた献句を思い出し、その句を捧げてあっという間に終った(スミマセン、失礼しました)。

      和み田の悟り朗らか風ぐるま     恒行

 そして、会のはねた後に、愚かにも思い出したことは、和田悟朗氏からこれまでも、句集といわずエッセイ集といわず、「白燕」、「風来」とことごとく恵投にあずかりながら、まともなお礼もなさず、まったく申し訳ない限りであったということと、それもこれも、ひょっとしたら、愚生が20歳の頃、短い間ではあったが「渦」(赤尾兜子)に投句したことを覚えて置いて下さり、のちに現代俳句協会の青年部だったころに和田氏に面識を得ていたからなのかも知れない、ということだった。

ともあれ、二次会の案内をいただいたときに(時間は少し遅く、翌日は仕事が・・、と思ったが)、何はおいてもお祝いには行かなければならないと思ったのだ。

 高橋睦郎氏が仰っていたように、『風車』の授賞は、俳句界のみならず、詩歌界全体にとっても価値あることで、読売文学賞の価値もあがるということだろう。

    歓声は沖より来たり風車        悟朗

    百日紅戦火の色として垂るる

    人類に乏しき未来松の芯

    不戦より非戦貴し合歓の花

    生前と死後のあいだにSL車 

 

風来↓

風来vol.1

 因みに、送られてきた「風来」12号は『風車』特集の趣で、中に花谷清氏は『風車』に触れて「客観を超えた主観。実を超えた虚。すなわち、実を示して虚を、虚を示して実を想像させ、虚実の狭間にあそぶ融通無碍さが特徴と思う」と、また、宮﨑未来氏は「和田先生の句集はとても読みやすかった。これは読解的な意味ではなく、感覚的な意味でだ。和田先生の句は言葉遣いがとてもやさしく、響きが心にス~と入ってくる。句の震意が解らずとも、何度も読み返したり、声に出して読んでみたくなるのだ」とそれぞれの玉文に接することができた。

山上康子氏vol.1

山上康子氏↑

 ここから先は、二次会の余禄になるが、全く思いももしなかったことで、とりわけ嬉しいことが二つあった。

一つは、豈同人でもある山上康子氏に初めてお会いできたこと。

第二は久保純夫氏に同行してきた城貴代美氏に会えたことだ。

純夫氏と貴代美氏はかつて同人誌・戦無派集団「獣園」の同志であって、昨年逝去した、さとう野火氏と貴代美氏には、盆、正月もなく貧しい学生時代によくご自宅で食事をさせていただいたりしたのだ。ある意味恩人のような人である。

思えばあれから40年以上の歳月が過ぎている。

まさに歳月は人を待ってくれない。

その久保純夫氏は、新しい雑誌を立ち上げるのだ、と言って、めずらしく名詞を差し出した。

貴代美氏も参加するという。

「儒艮(JUGN)」代表・久保純夫とあった。

カレバショウ↓

カレバショウvol.2

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2013年2月15日

岡正実句集『風に人に』・・・

風に人にvol.1

 句集名は次の句からのもの。

    風に人に帰巣本能ヨットの帆      正実

 著者は言う。「テーマとした『帰郷』にもっとも重なると思い、選んでみた」と。

 略歴によると1944年、福井県に生まれ、68年時事通信社に入社し記者、解説委員を経て2004年退社。

 第一句集『奥羽の時代』(2006年)に次ぐ第二句集が『風に人に』である。

 巻頭近くの句は、第一句集から漏れた、俳句入門時代のものらしいが、

 はっきりとは示されていないものの、次の句などは味わい深い。

     線香花火はげますゆるく息かけて

     結願の数の穴ある蝉しぐれ

 「線香花火」の句の中七下五「はげますゆるく息かけて」のフレーズには実感とともに、作者の願い、祈りも、そして、いささかの哀れをも感じさせられる。

 「結願の数の穴」も達成された至福と地上での命短い蝉の哀れが「蝉しぐれ」に含まれているのではなかろうか。

     村夫然たる顔に剃刀今朝の秋

    子規の忌や3B鉛筆(さんびー)持てば記者の顔    

都会生活から帰郷しての生活、記者の顔ではなく、村夫然としてきた自分の表情に少しばかりの感慨がもたらされた。折からの秋めいた朝。また、3Bの鉛筆を手すると、昔の記者の顔に戻っているような気も、ふと、する。そういえば、子規にも記者が時代あった・・・。

 記者生活時代には、社会に対するいくばくか批評の眼差しをかかえていたにちがいない。次の句などにはそうした気配がある。

    鬱々と原発海は雪催

    カタカナガハビコルニッポンハイセンビ

    「安全神話」といふ神輿担ぎし一人やも

    「一丸」が好きな日本の遠蛙

また、切ない自画像めいたものもある。

    手を組まれわれも逝くなん冬の月

    滝垢離や震へを挟む両腕

    降る雪やおとなく人は老いゆける

 これからの著者の句業はさらに晩年の気配を濃くしていくのだろうか。それとも潮の結晶(つぶ)を輝かせるエネルギーを句境にいっそう加えられるのであろうか。そこには未知の期待がある。

  最後に私好みの佳吟を挙げて置きたい。

   緑陰をかげ出て人となりにけり

   北陸(ほくろく)は二タ色雪と雪雲と

   棹に空きありはぐれたる雁待つか

カラタチ↓

立春の山茶花vol.1

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2013年2月13日

無事、誕生・・・・・

逆さ地図vol.1

 富山県が作っている逆さ地図↑(日本海が湖のようだ)。

 先日、11日(月)に、産休中のスタッフ三東有紀から無事出産の知らせを受けた。

予定日は立春の頃だったので、出産予定日を過ぎていた。

女児で、名前は優姫(まさき)と名付けたという。

立春が予定日というのもいいが、誕生日が建国記念日というも悪くない。

いずれにしても目出度い。

どうやら、超がつく安産だったらしい。

陣痛が始まって?病院に行って、一時間ほどで赤ちゃんの誕生となったらしい。

優姫(まさき)というのも、普通には読めない。

最近は、パッと見には読めない名前が多い。

親のみが知るというわけだ。

ともあれ、親も子どももいたって健康のようだから、言うことはない。

生まれたばかりの写真が携帯メールに添付されていたが、公開の了解を得ていないので、ブログには載せない。

可愛かったよ・・・(想像して下さい)。

早速、下手とはいえ、俳人のはしくれの愚生は一句献上した。

     春近く生(あ)れて優しき姫となる      恒行

三東の産休と育児休業が明けて、出社できるまで、愚生も老骨に鞭打って働いていよう・・。

ミツマタ↓

ミツマタvol.1

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2013年2月12日

中西ひろ美句集『haikainokuni@』・・・

alpha0212

 珍しい横文字のタイトルの句集。

句集タイトルに、もし漢字を入れれば「俳諧の国@(あっとまーく)」というところか。

こういう手法は中西ひろ美の得意とするとこらしい。

「四、雑(ぞう)」の章には―座五繋がりーという手が示されていて、

 

   獲れたての食べると甘い盆の月    広瀬ちえみ

   盆の月さよならは白樺の水で     中西ひろ美

   乗合の舟に正座を持ち込みぬ        ひろ美

   持ち込みぬのっぺらぼうめぶっきらぼうめ  増田かも

 

こうした遊びはお手のものらしい。解説・広瀬ちえみ「『かわいい』の分析」には、

  ひろ美は変なことをひたすら考える。「おなかがすいたら食べる」以外は俳句でどうやって遊ぼうかと考えている。一日、何

 も食べずに考えることもあるだろう。それから寝ころんで雲の行方などを厭きずに眺めている。

とある。実際、広瀬ちえみの解説文を読めば、この句集の魅力と中西ひろ美の志の有り様が実によくわかる。

 句集帯文にも「俳諧は読むものではなく、たぶん、するものである。ひろ美」とある。

この言挙げは〈俳諧〉を楽しむための要諦ではなかろうか。

各章題もなかなかである。皮肉かもしれない。例えば、

Ⅰ 俳句のような集

Ⅱ 俳句じゃないような集

という具合だ。Ⅰから句を少し引用しよう。

  芽吹く前に吃音がはたらく

  やむふるやむふるやむふるや陽の雫

  満ち潮やアガサンパスとは飛ぶような

  クハ鳴けばはるかにキハの冬汽笛

  字(あざ)てのひら火の粉が消えに来るところ

  笹鳴やアボガドサラダの豆腐も四角

 なかなか俳句形式の美を生かしている句群とお見受けしたが、確かにⅡでは、

  「歌のような十三首と連作1組」などと短歌形式を借りたものもある。だが、これらをふくめて〈俳諧〉ということらしい。

  ぽつりまたぽつりとひらく冬桜 国のことばが涸れないように

  秋は引く力で人を立たせおき/空の重みで崩しにかかる

 

 中西ひろ美はこれまでにすでに二冊の句集を上梓している。

第一句集『咲』と第二句集『竓』。

『竓』には、この句集の句、全てを鑑賞した一書、鈴木純一著『せんちみりみりー「竓」論ー今日の俳句』まである。

孫引きで、

        立つときの此世の匂い袋かな

        初めてのように降りやむ時雨かな

『咲』の解説・仁平勝は次のようにしたためている。

     風鈴のうちがわ荒れてゆく月日

  この「月日」はすなわち、少女と青春時代が風化していく時間だ。夏が過ぎても、忘れられたまま放置されている「風鈴」を

 見ながら、作者はその美しい外側ではなく、きっと「荒れて」いるにちがいない「うちがわ」が気になってしまう。それはもは

 や、少女の感性とは別のものだ。だとすればその「月日」の先に、また新たな中西さんの世界が広がっているのかもしれな

 い。

 この解説が書かれたのはすでに18年前のことだ。しかし、この「少女の感性に出会う」は、たぶん、いまだに失われずに、中西ひろ美の底流としてあるものにちがいない。それこそが、詩歌の根本をながれる初々しさのよって来るところだからだ。

俳壇式vol.1

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2013年2月11日

ご心配をお掛けしたようで・・・

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 ご無沙汰していました。

何とか生きております。

先週末、「『俳壇賞』『歌壇賞』授賞式と懇親の集い」に俳人?として出席。

このところ、ブログを書いてないようで、ご病気でもされていたのかと心配していました・・・

と声を掛けて下さった俳人や歌人の方々、4~5人がいらして、恐縮でした。

愚生、いたって元気というわけではありませんが、とりあえず生存はしておりますので、皆様ご安心下さい。

ありがとうございました。

実は、先日、弊社に装丁の打ち合わせに来られた三宅政吉さんからもHさんが「大井さんがブログを書いていない」と心配していましたよ、と言われたばかりだったので、意外とブログを読んで下さっている方々がいらっしゃることに驚き、また、改めて感謝の気持がフツフツと・・といった塩梅でした。

とにかく弊社のブログはできるだけ、スタッフ全員で持ち回りましょう、ということになり、自主規制中だったということです。

愚生はおおよそ月の第二週を中心に・・ということになりました(もっとも、句集評などはその限りではありませんが)。

加えて、3月号が別冊付録「平成名句大鑑」500ページ(2月25日発売予定)の校正などで、とてもブログを書いている余裕がなかったという事情もあります。

ともあれ、第27回俳壇賞は唐澤南海子(岳)「春の樟」、第24回歌壇賞は服部真里子(未来)「湖と引力」の両氏で作品は以下。

     マンゴーの種はげんこつ百千鳥        南海子

     密会は深夜の本屋熱帯夜

     春の闇踏んでゐるとも伎藝天

 

   八月をすぐ遠景にしてしまう日暮れの舟のしずかな離岸    真里子

   友人に借りた歌集にひえびえと風景写真挟まれており

   待ち合わせのごくありふれた光景を僕たちもまた 晩夏の光

ボケ↓

ボケvol.2

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2013年2月 5日

堀本裕樹北斗賞、俳人協会新人賞受賞、出版祝賀会

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2月2日(土)、堀本裕樹君の出版を祝う会があって行って来ました。

場所は東京本郷の東京大学。

その中のおしゃれなレストランで行われました。

俳句界主催の北斗賞そして、つい先日、発表された俳人協会新人賞受賞をも祝う会です。

そう、彼の句集【熊野曼荼羅】はこのたび俳人協会新人賞を受賞したのです。

 

増刷も決まりましたので、興味のある方はぜひ読んでみてください。

当日は詩人の高橋睦郎さん、文芸評論家の酒井佐忠さん、「梓」代表・上野一孝さんをはじめ、仙田洋子さん、奥坂まやさん、天野小石さん、大高翔さん、日下野由季さん、阪西敦子さん、矢野玲奈さん、松尾清隆君、村上鞆彦君、津久井健久君など多くの俳人がお祝いに駆けつけ、華やかな会でした。

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