2013年4月22日

角川春樹『夕鶴忌』サイン会・・・

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 先週末、紀伊國屋書店本店で角川春樹『夕鶴忌』のサイン会が行われた。

弊社では、森澄雄追悼句集ともいうべき『白鳥忌』に続いて、先年亡くなられた春樹氏の姉・辺見じゅんに奉げられた追悼句集である。「あとがき」によると、「挽歌は『万葉集』以来の、極めて伝統的なテーマで、私の次の句集も作家・中上健次を偲ぶ『健次はまだか』が来年予定されている。句集は次の冒頭の一句から始まる。//健次はまだか晩夏がジャズになつてゐる//だが、哀しみは前面に出さない積もりだ」とある。

挽歌を詠い続けている詩歌人のいえば、まず歌人の福島泰樹が浮かぶが、さしずめ俳人では角川春樹ということになりそうだ。『破壊せよ、とアイラーは言った』の著書もある健次ならぴったりの句だ。

『夕鶴忌』開巻の口絵には辺見じゅんの現代短歌女流賞を受賞したときの写真、そして、序歌を掲げたとも思われる次の一首が掲げられている。

   遠きひと近き人など呼びてをりかぐはしきかなあちらの時間    

                             辺見じゅん歌集『天涯の紺』より

劈頭の句は、「一ノ関にて、辺見じゅんの死を報(しら)さるる」の前書がある、

   天の川より一片の落花あり         春樹

 続いて「辺見じゅんは、かつて木下順二の「夕鶴」を演ずる」の詞書を付して、

   夕鶴となりて還りし空のあり

   かつて辺見じゅんに問わる

   死にも死はあるかと問はれ雁わたし

挽歌の極めつけは

  原義、健吉、健次、照子、巳之流、澄雄、じゅん

  まなうらに亡き人ばかり天の川

思えば、角川春樹はそれぞれの忌日を命名することによって、死者も甦るということをよく知っているのだ。

 角川源義「秋燕忌」、森澄雄「白鳥忌」、辺見じゅん「夕鶴忌」・・・・

    篁(たかむら)に一水まぎる秋燕(あきつばめ)       角川源義

    除夜の妻白鳥のごと湯浴みをり        森澄雄

    夕鶴忌名もなき月の澄みにけり        角川春樹

本誌5月号(4月25日発売予定)は、『夕鶴忌』刊行記念対談角川春樹VS永田和宏、是非一読あれ。

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