2013年6月のブログ記事

2013年6月24日

柴田悦子句集『句読点』・・・

句集『句読点』vol.1

 句集名は、

    瑠璃鳥は白神山地の句読点   悦子

からの命名である。

句集表紙や、各章立ての、「柿灯し」「芹の水」「落椿」「堅香子」「鳥になる」などに施された挿画は、記載はないが著者自身のものだろう。

序、跋もなく、文庫本サイズとあいまって実にシンプルな作りのたたずまいである。

句は、「あとがき」にあるように夫の介護、母の介護に関する作品も当然ながら含まれているが、「二十余年間を介護に身を挺してきました。こんな中で、俳句作りは自分を支える大切な時間でもあったのです」と記し、さらに「これから心豊かに暮らすために、俳句を力にしたい」という著者の願いが籠もっている。

    いのちとは光と思ふ堅香子の花

    ひぐらしや玉串の先震へをり

    白鳥を片寄せ切に生きたくて

    木守柿ときどき鳥になつてゐる

    炎昼や鏡の部屋につきあたる

もちろん、現実の生活を直視した句も、

    二月尽老老介護身の軋む

    受け難き言葉が溜まり年詰る

    激震の日本を置いて鳥帰る

    喪心をゆらす風なり秋の蝶

ともあれ、今は哀しみとともに、素直な時間を生き抜こうとする著者の心栄えも感じられるのである。

    寡婦にある素直な時間苺畑

    泣いた目と思ふ亡母の蛇苺

    かまくらや亡き父がゐて亡夫がゐて

    細雪みんなしづかに白くなる

シモツケ↓

シモツケvol.2

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2013年6月21日

「俳句界」7月号出来・・

「俳句界」2013年7月号

 本日は「俳句界」7月号、取次各社への搬入日である。中二日置いて、つまり25日(火)に全国主要書店店頭に並ぶことになる。

直接、定期購読をされている方々には、早めに明日あたりには届くと思う。

ちなみに、7月号の大特集は「著名俳人、俳号の謎」である。

物故俳人では荻原井泉水、高浜虚子、大橋桜坡子、飯田蛇笏、中村草田男、西東三鬼、相生垣瓜人、右城暮石、加藤楸邨、鈴木六林男、上田五千石など、エピソードも含めて面白い読物になっています。

現役俳人では金子兜太をはじめ、落合水尾、星野麦丘人(遺稿になりました)、松山足羽、倉橋羊村、小川軽舟、河内静魚、古賀しぐれ、稲田眸子、加藤かな文、筑紫磐井など、これも味わい深い。

そのほか、俳句界Nowは高橋悦男、セレクション結社は「野の会」(鈴木明)、「私の一冊」は誓子全集の石井いさお、注目の句集は泉田秋硯『サハラの星座』。

佐高信の「甘口でコンイチハ!」のゲストは作家の渋井真帆。

好評の大人のエッセイは西村賢太、小嵐九八郎、道浦母都子。

魅惑の俳人は及川貞。地味な俳人ではあったが、「戦死の報到りしときこの花咲いて居き」の前書に「堪ふべしと母は堪へにき京鹿の子」の句など目にすると思わず落涙しそうになる。

そして、文學の森10周年祝賀会のスナップ写真10ページを費やしています。

それでも、ご参加の皆さんすべてを掲載しきれませんでした。

お礼とお詫びを申しあげる次第です。

そのほか投句欄、写真俳句など、読者の皆さんの期待が大きいコーナーもあります。

是非、仲間の皆さんにもご紹介下さい。

ザクロの花↓

ザクロの花vol.4

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2013年6月20日

渡辺をさむ句集『あらくさ』・・・

句集『あらくさ』

 句集名は次の句から、

    九条手書きの凧碧天へ雑草(あらくさ)    をさむ

諸角せつ子が懇切な序を寄せているが、それには、

   渡辺さんは、「反戦・平和」が私の人生の大きなテーマと言い切っている。 

 五十歳を過ぎてからの俳句作りだが、志とかかわって、どこまでも未来を感じ

 させる明るさ、その深まりが読むものの心を優しくしてくれるのである。もとも

 と俳句は庶民の詩、平明で清新でありたいもの、現代をどう切りとって詠むの

 かは、ひとえに作者の志とかかわってのもの、渡辺さんの一句一句には、そ 

 んな太穂の優しい志が受け継がれているように思え、ことさら親しみを感じる

 のである。

と記されている。また僧職にあった渡辺をさむは本名「大修(だいしゅう)」での樹木葬の墓苑を開設運営されているとのことだ。

さて、冒頭に挙げた句だが、雑草派とは自らのことであろうし、また、戦前のプロレタリア俳句運動の記念碑的作品「シャツ雑草にぶつかけておく」の栗林一石路を意識したものであろう。一石路の忌日は「雑草忌」とも呼ばれている。

作者は、1945年鳥取県生まれだが、高校三年生にして原水爆禁止世界大会、平和行進に参加し、その後は寺の住職と民主商工会の職員を兼務していたというから、いわば筋金入りの活動家のような生活ではなかったろうか。

従って、社会の不正に対するときの作者の眼差しの厳しさが、おのずと句の表現に湧き出している。

なかには、名指しされなくてもそれと分かる句もある。例えば、

    浪速ファシスト昭和の冬の紐たぐる

 「浪速ファシスト」とはたぶん橋本大阪市長のことであろう。第二次大戦前、ヒットラーは選挙のたびに議席を培培ゲームのように増やし、文字通りドイツ国民の圧倒的な支持を背景に登場してきたことは歴史上の事実である。その熱狂的な支持に対して作者は危惧しているのである。それが「昭和の冬の紐たぐる」の措辞になっていよう。間違ったナショナリズムは道を誤るのだ。

しかし、こうした社会派の作品のみが収載されているわけではない。本句集巻尾には、

     父似の三兄にこの句集を贈る

   兄癒えよ故郷(さと)は若葉のあふるるに

と捧げられ、また、

   父の日よ戦嫌いの血筋です

   華帯の三線しぐれ冬の太陽(ティダ)

   痴呆の母が日向にほぐれ冬紅葉

   裸にキッス励まし上手の介護妻

   うすら陽のその揺れ透いてえごの花

   少年老いて帰らぬ声を畑に鋤く

など、叙情的な愛に裏打ちされた句の表情を伺うことができる。

また、現代的な新しい表現をもたらしている次のような句もある。

   春♪(おんぷ)スマートフォンの指先に

ともあれ、最後にいかにも作者・渡辺をさむらしい、志あざやかな句を挙げておきたい。

   雁や抑留兄の遺品なし

   サシバ伝えよ軍「慰安婦」の埋る声

   無窮花(ムグンファ)の陽を抱くかに連行碑

   百日紅特攻遺書の乱れ文字

   みちのくの日筋に帯の花菫

   古雛その瞳幾たび地震・戦

   秋冷の灯へ懸命の資金繰り

   原発ゼロへ色とりどりの夏帽子

とりわけ、最後の原発の句には、古沢太穂の「白蓮白シャツ彼我ひるがえり内灘へ」の句が想起させられても不思議ではなかろう。 

アジサイ↓

アジサイvol.6

閑話休題・・

本日の編集長・林は「俳句界NOW」轡田幸子の撮影で橋本照嵩と出かけている。 

ノウゼンカズラ↓

ノウゼンカズラ

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2013年6月18日

「梅林」10周年記念祝賀会・・

小林草山(そうざん)「梅林」主宰vol.1

小林草山(そうざん)「梅林」主宰↑

昨日6月17日(月)、東京・町田市のホテルラポール千寿閣に於て、「梅林」10周年記念祝賀会が開催された。

「梅林」(主宰・小林草山)は平成16年5月に、篠崎圭介主宰「糸瓜」の終刊後に東京町田を中心に創刊された雑誌で、いわば師の没後10年にも相当する。

その「梅林会則前文」には、格調高く、「詩的純度の濃い自分の俳句を自分のために作る」と志が掲げられている。

前文全てを以下に記しておこう。

   私たちは、芭蕉の俳人たる志と正岡子規の俳句革新の精神を尊び、観照 

 の真の瞳で平和な社会すべての事物と人間の尊厳を守り、自然を慈しみ、有

 季定型に則り詩的純度の濃い自分の俳句を自分のために作る。その句作り 

 を明るく前向きに楽しむ句会の場をひらく。

加えて、草山主宰は力をこ込めて別に語っていることもある。

  わたくしは、梅林俳句に自負を持っておりますが、満足はしておりません。も 

 う一歩でも向上したいと熱望しております。梅林俳句は充分上手です。上手

 い俳句を作ろうという事と自分らしい俳句を作ろうという事は別の次元です。

 祝賀会の来賓挨拶では町田市文学館館長・横須賀秀男、町田市ペンクラブ会長・千野皓司、町田市文化協会会長・新井吼優の各氏、また俳誌「青芝」主宰・梶原美邦、「阿夫利嶺」主宰・山本つぼみ、町田市俳句連盟副会長・尾田中柑子各氏など、地域に密着し根ざして活動を続けられている俳句会であることがつよく印象に残った。

 さらにアトラクションでは「町田で よい歌を うたう集い」の活動をされている瀬尾京子氏の歌、天野正子氏のピアノでの歌唱指導も行われ、「浜辺の歌」「椰子の実」「花は咲く」を全員で歌った。

 また、梅林賞・山下大門「北国紀行」と新樹賞・末松志津江「郷をゆく」の表彰も行われた。

梅林賞の山下大門氏↓

梅林賞の山下大門氏vol.1

新樹賞の末松志津江氏↓

新樹賞の末松志津江氏vol.1

   三・一一あまねく春光三陸へ    草山

一句献上!

    梅林を踏みいて十年(ととせ)草の山      恒行

ナツツバキ↓

ナツツバキvol.3

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2013年6月17日

「文學の森」創立10周年記念懇親会in大阪・・・

トケイソウvol.1

トケイソウ↑

 本日は、弊社創立10周年記念懇親会in大阪が、ホテル阪急インターナショナルにて行われるので、東京支社からは、編集長・林、スタッフ松本、企画出版部・青木がそちらに出かけている。

 愚生は、在京にて、これから、「梅林」(主宰・小林草山)の創刊10周年記念祝賀会が町田のホテルラポール千寿閣で行われるので、お邪魔する予定。

 外は梅雨の晴れ間で少しばかり気温が上がりそうである。

 朝の通勤路で銀梅花の白い花に遭った。

    離れれば狂ふ日もあり銀梅花    水津 哲

ギンバイカ↓

ギンバイカvol.1

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2013年6月14日

巷に雨の降るごとく・・

ヤマボウシvol.1

ヤマボウシ↑

 五月雨の降りのこしてや光堂     芭蕉

 五月雨をあつめて早し最上川

 さみだれや大河を前に家二軒    蕪村

 さみだれのあまだればかり浮御堂 阿波野青畝 

旧暦の5月は今でいえばほぼ6月。

五月雨は梅雨である。

その雨も、荷風の『墨東奇譚』(キタンのキの字がでません)では、「『檀那、そこまで入れってよ』といいざま、傘の下に真白な首を突っ込んだ女がある」の「ポツリポツリと大きな雨粒が落ちて来る。五月雨である」のシーンになる。

「巷に雨のふるごとく わが心にも涙ふる かくも心ににじみ入る このかなしみは何やらん」とはヴェルレーヌの「言葉なき恋唄」(金子光晴訳?)だ。

少年ランボーの手首を銃で傷つけて監獄に送られたヴェルレーヌ。

三橋敏雄に親炙した各務麗至は「五月雨の遙かに吾をぶちのめす」と若き日に詠んだ。

五月雨vol.3

今日の編集部は、編集長・林とスタッフ松本は、連載「筝漏亭日常」の矢島康吉氏の祝賀会に招かれて出かけている。

来週17日(月)は弊社10周年の大阪懇親会である。愚生は同時間帯に「梅林」10周年祝賀会に出席で、東京に留まる予定である。

諏訪神社↓

諏訪神社.jpg

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2013年6月13日

城取信平句集『めでためでた』・・

句集『めでためでた』

 句集名は、次の句から。

    めでためでたと枯野の電話混乱す   信平

「あとがき」には、

   この句集には、平成十二年から二十四年までの三〇四句が納められてお  

 りす。昭和六十年に『短日』を、平成十二年に『青榧』を出しておりますので

 三冊目になります。(中略)これが私の七十歳代の生き様であったと手を合わ

 せました。(中略)

  また多くの仲間の身罷りに遭ってきましたが、『めでためでた』とした題名

 は、八十歳を越えた己の今の生き様です。

 とあり、「めでためでた」と言いながら、いささか別種の趣が隠されているように思える。

あたかも「めでたくなる」という「死ぬ」「倒れる」の忌み言葉の覚悟が心底に流れていはしまいか。

 集中には、仲間の句集上梓の祝句もさることながら、はるかに多い追悼句が収められている。悲しみと孤独はいやまさると言ってもいいだろうか。八十歳を越えた己の生き様とはそういうことなのである。

その数多くの追悼句を以下に紹介したい。

         悼 高氏青堂さん

     白梅のさがし得ず君亡き後

         悼 重盛友子さん

     かなしめば淡雪のまた降り急ぐ

         悼 関森関洲さん

     裸木の梢野の鳥声なさず

         悼 木俣三洲子さん

     花吹雪やみたるときのはるかな天

         悼 村上葡泉さん

     こおろぎのなぜか今年は日中鳴く

         悼 木下棹雄さん

      春寒の炬燵ぽつんとあるばかり

         悼 赤羽けさ子さん

      山吹のひと筋の道消えて嗚呼

         悼 葛岡雄司さん

      いのち二つあればと憶新樹の夜

         悼 丸山喜(七が三つの文字)美さん

       在りし日を綴ればさくら山に散る

         悼 塩沢紫翠さん

       笹鳴きの黄泉いかほどに寒からん

         悼 大西紀代子さん

       さみだれのごときひと世のほととぎす

         悼 山本竜雄さん

       咲き継ぐをふと止めて散る百日紅

         悼 田中白陽さん

       雁去りしあとの水際さびしかり

         悼 小林千文さん

       白花の秋明菊は散るはやき

         悼 畑中美芳さん

       郭公の木曾へお帰り軍馬連れ

         悼 清水偉久夫さん

       郭公に耳目の自由得られませ

         悼 中山和雪さん

       入野谷の二月むなしや月の天

         悼 小林正峰さん

       あじさいのつゆどきにまた逢わんかな

         悼 若山芳子さん

       山茶花の一花となりし紅かなし

          悼 伊沢タキさん

       かなしみの盃伏せり淡雪に

          弟藤平の死

       なきがらをそばに涼しき夜の明け

          悼 平出比呂夫さん

       比呂夫亡き日やひぐらしの森はるか

          悼 千曲山人・小林洸人両氏

       朝も夜も二人木槿にかくれんぼ

       棗の実山人亡き後赤銅色

          兄丈雪の死

       雪の田に足跡しるき君の死後

      

それは、まさに、

     死の嵩に八十余年のおぼろ積む

であり、平成十三年の最初の句、

    妣を負い最前列に初日待つ       

の「妣」にこそ、亡き母のまぼろしを負って初日の出の最も近くで拝もうとする作者の姿がある。

 あるいは、昭和一桁生まれの作者には、戦争の句も多く、それはいまもなお胸中深く沈澱している思考を思わせるものだ。

     昼寝あと白紙に映る戦死人 

     夏の城黒くあらわれ被爆日本

     潰されし防空壕も枯れ急ぐ

     戦没者机上に枯葉並べゆく

それにしても母恋の句に残る抒情もまた、この世の摂理を感じさせるに十分ではなかろうか。

     春はるか裸足の吾を母産みし

     母偲び泣く声なればおぼろ濃き

 城取信平氏は昭和5年伊那に生まれ、金尾梅の門「季節」に師事されたこともある。

その梅の門について山本健吉は「この作家の特色は こまやかで滲み出るようなリリシズムだ」(『現代俳句』)と述べていたが、城取氏もまたその血が流れていよう。

レンゲ↓

レンゲvol.2

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2013年6月11日

7月号校正戻し・・・

クリの花vol.1

クリの花↑

 本日は、印刷所に7月号の校正戻しの日で、朝からひたすらゲラ校正をした。

外は梅雨らしい雨となっている。

後は折丁が出てきて、それを校正すれば、文字通りの校了になる。

 

閑話休題・・

聞くところによると、今日はカメハメハデーだそうである。

およそ200年前、1810年6月11日に、カメハメハ一世がハワイ諸島全島を統一した日だとか。この日ハワイ王国が建国され、初代国王になったのがカメハメハ一世である。

親しみを込めてカメハメハ大王とも呼ばれたが、ものの本によるとハワイ語は文字を持っていない言語だったので「ハメハメハ」とも表記されたこともあるらしい。

そのハワイ語で「孤独な人」「静かな人」という意味をもっているという。

従ってハワイではこの日が独立記念日でハワイ州特自の祝日になっている。

(愚生はハワイにはもちろん行ったことはないが・・・)。

クチナシ↓

クチナシvol.3

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2013年6月10日

「夏爐」750号記念祝賀会・・・

「夏爐」主宰・古田紀一氏vol.1

 「夏爐」主宰・古田紀一氏↑

 6月8日(土)、信州諏訪・ホテル鷺乃湯で行われた「夏爐」750号記念祝賀会に出かけた。

梅雨の晴れ間、山に雪渓をみながら中央本線を下った。

岸本尚毅氏

記念講演の岸本尚毅氏↑

 上諏訪駅を降り、諏訪湖を少し散策した後、岸本尚毅氏の講演から出席した。

(岸本氏は、彼にはめずらしく?よほど気分でも良いのか、祝賀会では,好もしくもはしゃいでおられた)。

その岸本氏の記念講演は題して「写生について-蕪城作品を読む」であった。

それを「俳句以前の言葉の問題」から説き起こされ、写生の実践者にしてかつ、最初に「夏爐」を主宰した木村蕪城の作品を読むという、示唆に富む内容の濃い講演であった。

     寒泉に一杓をおき一戸あり       蕪城

夏爐 くちなしvol.2

 祝賀会では、諏訪の八釼太鼓と木遣りを堪能し、かつ、喉自慢の方々の唄を聞き、飛び入りもあり、さらに、古田紀一主宰もよほど気分が晴れやかだったのか、かつて合唱部の美声を、本邦初公開と言われながら「まだあげ初めし前髪の・・林檎のもとに見えしとき~」と藤村の初恋を歌われた。

    昼酒の山葵に岳の聳えけり       紀一

 

愚生は編集長代理で、何もいわれていなかったので、簡単な挨拶があるなどとはつゆ知らず、食事、歓談にうつつを抜かしていたら、隣の鈴木忍「俳句」編集長に次は大井さんじゃないの~と言われ、困った困った・・田中利夫「俳壇」編集長の次に一分も経たず指名を受けてしまった。

何も挨拶を考えていなかったと言ういい訳の挨拶をしながら(ホント)、困ったときの打坐即刻・・とりあえずお祝いの句を口に上らせて、短い挨拶を終えた。

忍女史に助けられました(女神ですなァ・・)。アリガトウ!

     すわ夏爐(なつろ) 七百五十記念かな    恒行

夏爐 くちなしvol.5

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2013年6月 6日

7月号取次会社廻り・・

大阪屋の下にある書店↓

大阪屋の下にある書店

源覚寺こんにゃくえんま.jpg 

7月号の搬入部数決めに取次会社廻りの第一日目だった。

トーハン、太洋社、そして大阪屋と、新入社員駒方女史と一緒に廻った。

後楽園に移転した大阪屋に行くのは初めてだったので、いつもながら地図の読めない愚生は大きく通り過ぎて、結果、「こんにゃくえんま」(源覚寺)というちょっと変った寺に出てしまった。眼病にご利益があるということらしく、こんにゃくがたくさん供えられていた。

ところで、大阪屋の入っているビルの一階が書店「あゆみBOOKS」だったので、早速「俳句界」6月号をチェックさせていただいたが、棚にあったのは「俳句」が一冊のみ。

そこで、レジに行って、挨拶した。全く「俳句」も売れていないということであったが、とにかく、気が向かれましたら棚に置いてくださるようにお願いして店をでた。

なかなかいい男(イケメン)で、名刺交換をさせていただいたら、小石川店長・久禮亮太とあった。

明日は日販・栗田出版販売と廻る予定だ。

カラスウリの花↓

カラスウリの花vol.2

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2013年6月 4日

中尾公彦句集『永遠の駅』・・・

中尾公彦句集『永遠の駅』

 句集名は、次の句からである。

     すばるとは永遠(とわ)の駅なり竜の玉     公彦

集中にいくつか駅の句がある。

     もう帰る燕か駅長だけの駅

     キャンドルや枯野の果てに父の駅

     白息の白息つつむ駅にゐる

       「何求(と)めて冬帽行くや切通し  源義」

     冬帽の辿り着きたる父の駅

     紅玉や夜行列車の停まる駅

「すばるとは永遠の駅」と断定された句は、いささかのノスタルジーを宿した駅の他の句とは違う趣である。それを角川春樹は次のように言う。

   この句を鑑賞する前提で、次の私の一句が参考になろう。

     いのちまた還るいのちや天の川     角川春樹

  人間の魂は、宇宙の銀河にあり、地球上に人間として生まれ変っててくる。死後も  

 また宇宙の銀河に還っていくのだが、その乗り換えの駅は月であったり、別の惑星

 であったりする。

  中尾公彦の「竜の玉」は惑星の象徴である。そして、中尾公彦にとっての魂の乗り

 換え駅は「すばる」なのであろう。「すばるとは永遠の駅なり」の措辞は、実に素晴ら

 しい表現だ。「竜の玉」の例句として文句なしの傑作。

また、椅子に愛着といおうか、少しばかりの思いが宿されている。

     さへずりや交番にあるパイプ椅子

     鳥の恋プーサイドのパイプ椅子

     かりがねや沖にまむかふ椅子一つ

とはいえ、何といっても団塊の世代らしい作者の社会に対する眼差しを留めた句に心的な声が聞こえるようだ。いくつかを上げてみよう。

     海の水コップに立たせ沖縄忌

        「シオン」とは、エルサレム市街の丘の名。シオニズム運動の象徴

     火を焚くやシオンへ向かふ冬の音

     漁り火の色も凍てたり多喜二の忌

        「イマジン忌」は十二月八日。ジョン・レノンの忌日

     置き去りの真つ赤な手套(しゅとう)イマジン忌

     核の冬血豆だらけの詩を書かう

     白骨の森となりたるフクシマ忌

   しかし、まだ青春の香を留める句がないわけではない。はるかに傷を負っている魂がまだくすぶっているのかも知れない。 

   傷口に脈のあつまる夜の新樹

   真夜中のあけびの割れて火薬臭

   大根引く大地の微熱晒(さら)しけり

   テロといふ赤い文脈威銃(おどしづつ)

 最後に、集中の、小生の推してやまない句を上げさせていただきたい。それは碧梧桐忌を詠んだ句、

  ねぎ蕎麦のねぎの青さや寒明忌

高島屋にて↓

高島屋にてvol.1

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2013年6月 3日

7月号入稿日・・・

ムギvol.1

ムギ↑

先週末に続く、7月号の印刷所への入稿日。

だから、とりあえず、慌しい。

また、本日から、新入社員を迎えた〈駒形文子女史〉。

第7回蕪村顕彰全国俳句大会の作品募集などの実務など、今後は編集部スタッフとして、皆様のお役に立てるものと思います。

いずれ,折を見て、自己紹介などを・・・。

海見個展vol.2

 閑話休題・・・

先日、ちょっと縁があって「海見絢子展―小さな出会いⅦ」を観に行った。

絵は水彩。静謐な感じにする絵が掛けられていた。

会場で五年前の『海見絢子作品集ー水彩ー』をもとめたのだが、作品の印象は変貌していてた。

銀座「ぎゃらりー403」で開催されいるのだが、エレベーターはなんと手動のドアで、狭く、ドアを閉めるたびに大きなガチヤッという音を発し、なんとレトロな・・と思った。

タチアオイ↓

タチアオイvol.4

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