2013年6月24日

柴田悦子句集『句読点』・・・

句集『句読点』vol.1

 句集名は、

    瑠璃鳥は白神山地の句読点   悦子

からの命名である。

句集表紙や、各章立ての、「柿灯し」「芹の水」「落椿」「堅香子」「鳥になる」などに施された挿画は、記載はないが著者自身のものだろう。

序、跋もなく、文庫本サイズとあいまって実にシンプルな作りのたたずまいである。

句は、「あとがき」にあるように夫の介護、母の介護に関する作品も当然ながら含まれているが、「二十余年間を介護に身を挺してきました。こんな中で、俳句作りは自分を支える大切な時間でもあったのです」と記し、さらに「これから心豊かに暮らすために、俳句を力にしたい」という著者の願いが籠もっている。

    いのちとは光と思ふ堅香子の花

    ひぐらしや玉串の先震へをり

    白鳥を片寄せ切に生きたくて

    木守柿ときどき鳥になつてゐる

    炎昼や鏡の部屋につきあたる

もちろん、現実の生活を直視した句も、

    二月尽老老介護身の軋む

    受け難き言葉が溜まり年詰る

    激震の日本を置いて鳥帰る

    喪心をゆらす風なり秋の蝶

ともあれ、今は哀しみとともに、素直な時間を生き抜こうとする著者の心栄えも感じられるのである。

    寡婦にある素直な時間苺畑

    泣いた目と思ふ亡母の蛇苺

    かまくらや亡き父がゐて亡夫がゐて

    細雪みんなしづかに白くなる

シモツケ↓

シモツケvol.2

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