2013年7月19日

大里えつを句集『兀兀』・・・

句集『兀兀』vol.1

 句集名は,以下の句から・・

     兀兀と闇煮凝はすぐ溶くる    えつを

 著者・大里えつをは本名悦夫、1943(昭和18)年に福岡県山田市(現・嘉麻市)生まれ。

 99(平成11)年に作句を開始、野見山ひふみ、西村蓬頭に師事して、現在「菜殻火」編集長を務めている。

 序文は、野見山ひふみ「菜殻火」主宰が、愛情溢れる、今後を期待するべき作家として寄せている。

句集名「兀兀」は「こつこつ」と読むのだろうが、句では続けて「闇」と措辞したところに作者は思うところがあるらしい。

 こつこつと働く、こつこつと貯めるなどのほかに、「兀」には、字のごとく、高くて上が平らなこと、また禿げ山、さらには刑罰としての足を切るということや動かず安らかなという意も含まれているらしい。広いと言えばさまざまな愚生では想像もつかないさまざまなことの含みが生まれてくる闇なのである。

 その言葉の面白さに魅かれて、捨て難い句として句集名にまでしたのだから、作者の愛着のほどが知られる。

 野見山朱鳥・ひふみの生命諷詠の系譜にさらに別の新たな句境が開かれるのであろうか。

     死はいつも人のことなりしやぼん玉

     梅雨に入る三越試着室より手

     ヨコバイを栞つてゐたる歎異抄

     花時の垜に震ふ甲矢乙矢

     あなぐまに死ぬふり人間に聞こえぬふり

  いずれも句にも着眼の面白さが宿っている。そのことを序文では、ひふみ師に「新しい」と評されていたのであろうか。

 ともあれ、最後に捨てがたい愛妻句を以下にあげておきたい。

     おほかたは妻に理のある蕪汁

     妻少し粧うてをり花火の夜

     三界に家ある妻の茄子漬け  

ヒルガオ↓

ヒルガオvol.3

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