2013年7月31日

黒川石龍子句集『楷の風』・・・

句集『楷の風』

 句集名は次の句から・・

    樟の風楷の風くる端午かな    石龍子

俳号は石龍子(せきりゅうし)、本名、芳昭。

1945(昭和20)年、栃木県生まれ。

著者「あとがき」によると、俳句に係ったのは18歳のころ、職場の上司の句会だそうである。

その後、昭和48年に「沖」(能村登四郎主宰)に入会、中断があって、2001(平成13)年、現在の波戸岡旭主宰「天頂」に入会し、03年には「天頂」新人賞とともに同人になっている。

収載の句は、初期の習作を捨て去り、「天頂」入会以後の、改めて俳句を志したときからの作品を収めている。

     見るほどに体の沈む寒牡丹     

     釣糸に銀の風来る小春かな

     西瓜売りどれも旨しと二度叩き

     赤も青も涼し岡本太郎展

     一斉に揺るる藤波我も揺れ

     夏の果てをとこが焦がす三分粥

     言葉華やぐ三月も月半ば

     茶柱を二本立たせて万愚節

 いずれも味わい深い佳句がならぶが、とりわけ印象深く心を撃ったのは、姉を詠んだ句である。

    春苺食ぶ古稀の姉喜寿の姉

   姉の声母に似てきし貝母咲く

   姉の忌や唖蝉ばかり飛ぶ小路

佳吟が目白押しの句集であるが、それはこの句集を手にとられる方々の興味にゆだねて、

結びに 、愚生の好みの句をあげさせていただきたい。

   練炭に湯が沸き在の小正月

   代掻いてまづは夕月浮かせけり

   手花火のつひのしづくのよく伸びて   

東大構内vol.3

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