2013年8月27日

小川トシ子句集『夢風車』・・・

句集『夢風車』

 句集名は、

  春耕の真ん中にある夢水車    トシ子

山崎聰「響焔」主宰は、その序に、

  小川さんの住む印旛沼湖畔にある大風車は、風車だから風があれば

 回り、風が無ければ止まる。まわりは一面花畑で、四月のチューリップの時季には多くの観光 

 客で賑わう由。

  作者はそんなことすべてを呑み込んで、その風車を"夢風車"と詠った。彼女の生活のすべ

 て、希望も未来も、すべて乗せて回る、文字通り"夢水車"なのである。集名とした所以であろ

 う。

と述べている。 まさに、その通りであり、作者が「夢」と付した手柄であろう。ただの「水車」ではないのだ。水車の句は、他にもある。

  蓮萌え風車ゆっくり廻り出す

  風を待つ佐倉の風車チューリップ 

風車の背景となる風景には風があり、空がある。そのかなたには天を思う作者がいる。

  裸木のてっぺん動き定年日

  無防備な空にゆきつき蝸牛

  重心を決めかねている葱坊主

  天辺に花梨が二つ母逝きぬ

とりわけ、愚生の好みで抜けば、

  イヌビワ北限地とあり南風

  晩年の触覚が伸び蝸牛

  彼岸花まっか有刺鉄線のなか

いずれもくきやかな輪郭を持った句である。

「晩年」とは死を意識するから晩年なのである。その触覚は何をとらえているのだろうか。

有刺鉄線の中はそれだけで、彼岸花の赤を際立たせる。もはや向こうへは行けない境界を示してさえいよう。

 ともあれ、

   師のことばまっすぐ胸に姫女菀

とは、羨ましい限りだ。

 ひょうたん.jpg  

閑話休題・・

昨日は、某「結社誌」のコピーをとるために、俳句文学館にでかけた。

いつもどなたかにお会いするし、文学館のスタッフの方にもいろいろお世話になる。

めずらしい人といえば、外山一機氏に会った。

気鋭の若手俳人で、その評論にはいつも注目している。

辛口という一般的な言い方ではない、現状の分析力には注目していい光るものがある。

その他、よくお会いするのが中嶋鬼谷氏、最近『峡(かい)に忍ぶー秩父の女流俳人、馬場移公子』を上梓されている。

また、島谷征郎氏にも・・・

ひまわりvol.3

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