2013年9月のブログ記事

2013年9月25日

新刊配本取次廻り・・・

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書籍の取次ぎ委託本の窓口を書籍スタッフ室伏加奈子女史に引継ぐために、各取次ぎ会社廻りに同行した。

今回、委託する書籍は、小林清人著『西国窯紀行』と第三回北斗賞受賞者・髙勢祥子句集『昨日触れたる』である。

窓口はけっこうすいていたので、思ったより早く終った。

愚生はその後、澁谷にある漢方医のところに一ヶ月分の煎じ薬をもらうために、診察を受けた。

これも、以外とスムーズに終って、時間に余裕ができたので、かねて観たいとおもっていた東急文化村ザ・ミュージアムで開催中のレオナール・フジタ(藤田嗣治)を、思いたったら吉日で観た。

レオナール・フジタvol.2

ポーラ美術館所蔵を中心だったので、戦争画はみられなかったが、子どもたちの絵はじつにたくさん展示されていた。

どの子どもの絵も、少しグロテスクに感じてしまうのは、ぼくの感受性の素直じゃないせいかもしれない。

それにしても、パリ画壇で賛辞をあびた裸婦の乳白色を創り出すために、シッカロール(ベビーパウダー)が使用されていたというのは、初めて知った。

ほかに交流のあった、モジリアニ、スーティン、バスキンの数点が展示されていた。

ともあれ、タイル画の連作「小さな職人たち」は職人たち(仕立て屋、たばこ屋、焼き栗売り、警官、羊飼い、石炭運び、刃物とぎ、風船売り、家具師など・・)いわば貧しい階級のそれは、興味深かった。

レオナール・フジタvol.4

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2013年9月13日

田代早苗句歌集『今のうち』・・・

田代早苗句歌集『今のうち』vol.1

句集名は次の句から、

    百舌叫ぶ生きてゐるうち今のうち    早苗

エッセイ、短歌、俳句、そして孫の田村望恵(もえ)の「ランドセル」という2~12歳までの約150余句が収録されている(表紙挿画も)。「望恵の小学校の卒業記念を兼ねて」(あとがき)のご合同句集でもある。

句集「前書きに代えて」のエッセイ「届かなかった手紙」には次のように認められている。

  思えばば脳梗塞でぶっ倒れた四年前に、我が人生劇場の幕は静かに降りる筈でした。神の気 

 まぐれか、まだ一幕肺がんというシナリオが残されていたのは意外でした。自分でもおかしいの

 ですが、なぜか急に死ぬのがいやになりました。こうなればとことん闘いたくなりました。

田代早苗の短歌は独学のようだが、俳句は波多野爽波に師事したのちは、現在は「童子」門下である。

   はからずも後に残さる世渡りの下手なる夫の行く末案ず

   老父母の介護の為に戻り来し宿命(さだめ)哀しき娘明子よ

   もう望恵に逢へぬ日近し只それが耐へがたきほど胸ゑぐらるる

   ごきぶりも人も命はひとつにて殺さず逃がす夜の厨に

   もうこれが泳ぎをさめと思ひつつあふれる涙潜りて隠す

   面会を拒絶つづけるかたくなな我を許せよ親戚知人

   取り入れて洗濯物を丹念に畳むが夫の日課となりぬ

   意外にも冷静に聞く脳転移いよいよこれより正念場となる

   卒業の記念の句集急がねば頭と体まだ動くうち

陳べる形式の短歌はそれだけで、作者の想いをよく伝えている。また、著者の作句歴が長く、断念の形式とも言われる俳句の作品を以下に上げるが、これもまた、見事な達成ぶりである。

   師爽波に見せたき句あり金魚玉

「金魚玉」といえば、当然ながら爽波「金魚玉とり落としなば舗道の花」を踏まえていよう。

   朝寝してついでに昼寝致しけり

   生きてゐる証のふとん干しにけり

   句に命かけてどうする麦の秋

   辞世の句山ほど出来て年の暮

   読み耽る尚毅の本や裕明忌

孫の田代望恵は、平成13年生まれ、20年「童子」に入会し、すでに7年が経つ。その孫に「たった一人の我が弟子・望恵に引き継ぐ俳句」(あとがき)として、

   誰よりもかしこくあれよ草萌ゆる

  と詠んでいる。 その孫・望恵の句を最後に上げさせていただく。

    にじはおそらのすべりだい(平成18、年4~5歳)     もえ

    まめたべてこころのおにをおいだした(平成20年、6~7歳)

    ひまわりのごめんなさいとかれている(平成21年7~8歳)

    ばあちゃんにたのまれて切る後ろがみ(平成25年、11~12歳)

    来年の春はお別れランドセル(   〃     )

ニラ↓

田代早苗句歌集『今のうち』vol.2

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2013年9月11日

第10回現代ジュニア俳句祭・・・・

第10回現代ジュニア俳句祭vol.1

遅ればせながら、去る9月8日(日)、東京江東区教育センターに於て、開催された

第10回現代ジュニア俳句祭(現代俳句協会・江東区教育委員会共催)について記しておこう。

まず、開会の辞は現代俳句協会ジュニア研修部部長川辺幸一氏、冒頭の挨拶には現代俳句協会副会長・安西篤、江東区教育委員会委員長・岩佐哲男氏。

現代俳句コンクール表彰式に続いて現代俳句ジュニア俳句会の公開句会が行なわれた。

主な表彰は以下の通りで、弊社後援の文學の森賞も授与された。

☆大賞

  マウンドの日暮れは遠し原爆忌  髙井 萌  愛知県幸田高2

★小学生の部

 ・現代俳句協会賞 ビー玉にさかさにうつる夏げしき 伊藤 渚 大田区入り新井第一小5

 ・毎日新聞社賞 コンパスで世界一周夏休み 北山侑芽 江東区砂町小5 

 ・毎日小学生新聞賞 夏の風まどから入る五時間目 石井愛凛 足立区千寿小4 

 ・角川学芸出版社賞 教科書をぱたんととじる夏休み 上田 花 江東区八名川小5

 ・文學森賞 タンポポの花たばどうぞおかあさん 船木万莉 高岡市立伏木小2

★中学・高校生の部

 ・現代俳句協会賞 遊ぶ子の声よく響く木下闇 山﨑あやの 市川市東国分中3

 ・毎日新聞社賞 砂時計近付いてくる祭り笛 山口沙弥加 川越市福原中2

・角川学芸出版賞 泰山木憧れ一つ走り出す 斎木梨央加 川越市福原中3

・文學の森賞 籤引きの紐を迷って星祭 大橋佳歩 愛知県幸田高1

表彰式のあとに行なわれた当日公開句会で、互選の結果は以下の通り。

最高点を獲得した作品は、

   君の影探して迷う秋の道    大竹 龍 川越市福原中

次点の句は、

  台風と母の怒りの悪天候 金光 舜 江東区深川七中2

文學の森(大井恒行)選者特別賞は、

  朝霧の輪郭歪むバス来たる  金光絢子 愛知県幸田高3

現代俳句協会選者(安西篤)選者特別賞は、

 コスモスが風にゆれてる水曜日  石井愛凛 足立区千寿小4 

第10回現代ジュニア俳句祭vol.2

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2013年9月 2日

谷本元子句集『木椅子』・・・

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 『木椅子』は「あとがき」によると第4句集である。

とはいえ、本句集には、以前の上梓の句集『栞しままに』(平成8年~10年)、『まどかなる』(平成11年~15年)、『月の花野』(平成16年~20年)の各句集からの抄出に加えて、今回の題でもある句集『木椅子』(平成21年~24年)から成っている。

俳人としては、順調な歩みと言えよう。

幾多の思い出が降り注いでいるらしい「木椅子」の句もいくつかある。

   外苑の木椅子にひとりづつの秋     元子

   小春日の木椅子きのふとおなじひと

   一冊の本と木椅子と夏帽子

上記の句の「木の椅子」がある風景の季節が「秋」「小春日」「夏帽子」とそれぞれに違うのだが、季節感にそれほど多くをゆだねているようには思えない。むしろ、各季節のそれぞれは、風に運ばれてくる淡い感じがまとっているのではなかろうか。

例えば、以下の句句が風に語らせているように・・、風のような人かも知れない。

  コスモスや聴くともなしに風の私語

  芒野をはなれて風を見うしなふ

  風よりも低くかがみて菫摘む

  空蝉の吹かれて風のこゑとなる

  コスモスを風あるやうに活けにけり

  風がまづ目覚めて野川春謳ふ

  つかの間の風の言の葉しやぼん玉

  風薫るボタンをふたつをはづさうか

  風鈴をはなれて風を見失ふ

それでも、それぞれに辿る記憶は鮮明であるのかも知れない。

  あやとりの指の記憶や居待月

  水昏(くら)し百灯しても蛍の夜

  ラムネ飲む海の蒼さをさを傾けて

あるいは、

  短夜の夢のつづきにまどろみぬ

というような夢が残されているのであろうか。

序文は懇切にして愛情あふれる玉文の「あざみ」主宰・河野薫。

オシロイバナ↓

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